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第2話 もう少しで

僕が妄想していると直と心輝が教室に入ってきた。 「優月君。見てよこれ心輝がパンをこんなに買っちゃうんだよ」 ビニール袋に大量の菓子パンやらサンドイッチやらが入っている。 いつもはこんな買い方をしないのに何があったんだろう? 「心輝、こんなに沢山のパンどうするの?」 「ゆづ君には関係ない」 心輝はドカッと席に座ると直からビニール袋を受け取り菓子パンを1つ取り出して食べ始めた。 直は泣きそうな顔で心輝を見ている。 「優ちゃん。たぶんあれだ」 「あれなの?」 「ゆづ君、あれって何?」 「ゆづさん、俺も知りたい」 あれとは、売店に行く途中に直を好きな子がいる教室を通るんだけど直は天然だから親切な人で終わるけれどそれは心輝からしたらムカつくらしい。 「直、売店に行く途中で誰かと話したの?」 「うん。いつもお菓子をくれたりする親切な人だよ」 やっぱり・・・。 心輝は相手が直をどんな目で見ているかとか雰囲気で分かるらしい。 心翔も心輝と同じで僕を1人にするのが嫌みたい。

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