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第1話 もう少しで

2月、バレンタインも終わりあと1ヶ月もしないでウサちゃんが卒業してしまう。 冬空くんとウサちゃんは僕達の前ではイチャついたりしないけれど2人の間にある空気感は信頼して好きなんだと分かる。 なんだか冬空くんと同じ歳なのに大人に見えるんだけど僕もあんな感じになりたいのになぁ〜。 お昼休みお弁当の卵焼きを頬張りながら冬空くんとウサちゃんをガン見していた。 「優ちゃん、見過ぎだ」 「ふあっ・・・うぐっ」 僕の頭を掴み心翔の方に向かされた。 心翔は、笑いを堪えながら優しく頭をポンポンとしてくれているがこれが大人な感じでは無いと僕にも分かる。 冬空くんと僕の差はなんだろう? 「優ちゃんは何を考えてたの?落ち着いた雰囲気に憧れた?」 「へっ?あっ・・・・・」 「図星だな優ちゃん。冬空は昔から落ち着いてるから優ちゃんは今のままで良いんだよ」 冬空くんとウサちゃんが僕を見て心翔の言ったことに頷いている。 今の心翔の言い方が僕を子供扱いしてるんだよ。 「そうですよ。ゆづさんは今のままでいて下さいよ」 「俺は逆にゆづ君みたいに可愛くして貰いたいよ」 「はっ?無理だろ?ゆづさんは特別だから俺がゆづさんみたいだったら逆に怖いだろうが冬空」 「普段されたら困る。でも2人の時は可愛いからいいんだよ」 「ばっ、ふざけんな!」 あっ、ウサちゃんが慌てふためいている。 2人の時はウサちゃんも可愛いの? げっ! あのウサちゃんがもし直みたいに可愛らしかったらちょっとひくよ。 僕にも2人みたいに大人な感じを出せる時がいつか来るんだろうか?

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