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第9話 もう少しで

僕が天使さんとかの事を考えていると気づいたらネクタイを外されていて手首を縛られていた。 「ちょっと、心翔?」 「お仕置きしとかないと冬空とか天使の事を考え過ぎだ」 「それは、好きとかじゃなくて・・・僕は心翔だけでいいもん」 言いながら目に涙が溜まり零れ落ちない様に我慢するが零れ落ちてしまう。 本当に僕は泣き虫だな心翔と居ると弱い僕になる。 心翔は零れ落ちた涙に唇を当てて縛っていたネクタイを外してくれた。 「おいで優ちゃん」 心翔が僕の腕を引っ張りゆっくりと起こして抱き締めてくれる。 暖かくて安心できる心翔の腕の中で僕は心翔の背中に腕を回して心臓の音を聞いていた。 「俺、ここで優ちゃんを無理矢理・・・・・・あの時はごめん」 心翔は僕を強く抱きしめた。 僕はあの時、怖かったけれど今は心翔に抱かれて凄く幸せなんだよ。 あれって妬きもちからだったんだっけ? 「謝らないで僕は凄く幸せなんだからね」 「じゃあ、今から抱いてもいいか?」 うわぁ〜。 ストレートに聞いてくるから恥ずかしくてどう答えようか悩むけれどやっぱりここは、あれかな? 「うっ・・・うん。心翔・・・・だっ・・・抱いて・・・」 「・・・・・」 えっと、反応無し? うわっ!うわっ! 僕凄く恥ずかしい人じゃない? これ以上何か言うと恥ずかしさが増すから僕は心翔にギュッと抱きついて顔をグリグリと心翔の胸に押し付けた。

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