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第16話 もう少しで Side使颯
「あの・・・俺、まだどっ・・・童貞で・・・その使颯君。挿れていいかな?」
「う・・・うん」
なんだろう賢吾の初めてを僕が貰えると思うと凄く嬉しくて泣きそうになった。
ローションは無いけど保湿クリームがあったはず。
鏡の前の棚から僕は保湿クリームを見つけると自分で蕾に塗ろうと手に出した時に、賢吾が手を差し出してきた。
「賢吾?」
「あの・・・俺にさせて欲しい。使颯君」
「うっ・・・うん」
きっと僕の顔は赤くなっていると思う。
だって顔が凄く熱いんだよ。
賢吾は僕の手に出ている保湿クリームを拭い取ると僕の蕾に塗り込みながら指を一本だけ差し入れてくる。
僕が痛くない様に優しくゆっくりと指を沈めて行ってくれる。
さっき自分でしていたから解れているはずだけれど賢吾は丁寧に丁寧に僕を傷つけ無い様に優しくしてくれる。
僕は賢吾に大切にされているんだと実感が出来た。
「痛くない?」
「うん・・・賢吾・・・好きだよ」
賢吾は顔を真っ赤にして少しだけ照れながら優しく笑いかけてくれた。
こんなに穏やかな気持ちでお互いの肌を重ねるなんて考えた事もなかった。
賢吾も同じ様に感じてくれてたら嬉しいな。
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