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第27話 もう少しで Side使颯
アッという間に目の前にいた人数は半分になり残っている人達は床にうずくまって動かなくなっている。
僕を捕まえていた中心人物と思われる奴も真っ先に逃げ出していた。
優月君が僕に近づいて来て心配そうな顔をしている。
あんな酷いことを言ったり無理やり仲良くなろうとした僕を心配して泣きそうな顔になって・・・僕達を・・・でもよくこの場所が分かったよね。
「優月君。どうして・・・・ココが分かったの?」
「天月さん。大丈夫ですか?お昼休みになっても教室に来ないから2年の教室まで見に行ったら廊下で2人組みの男子生徒の会話を聞いたんですよ」
「ありがとう・・・賢吾は?」
賢吾はうつぶせに倒れて優月君が声を掛けたけど泣きながら何度も地面を殴りつけている。
ごめんね賢吾。
守れなくて本当にごめんね。
でもそんなに床を叩きつけたら手が傷だらけになちゃうから早く止めなきゃダメだ。
「健吾!こんなに血が出てるよ。早く保健室行こうよ。」
やっぱり、床を叩きつけていた手を見ると血が出ていた。
「ごめん・・・使颯・・・・・俺のせいで嫌な思いさせて・・・ごめん」
「謝らないでよ。健吾は悪く無いよ」
嫌な思いをしたのは賢吾だよ。
それなのに僕を気遣う賢吾は・・・・・・もうこんな姿を見たく無いよ。
僕には何ができるの?
「そうですよ。悪いのはこんな酷い事をする奴らです。クマちゃんが退治してくれますよ。それに2年の廊下でハッキリ言ってきましたからね」
優月君?
僕には優月君が何を言ったか理解できなくて賢吾も同じ様子で2人で優月君を見ていた。
それに廊下で何を言ってきたの?
何を言ったか分からないけれど僕達の為に助けに来てくれたり心配してくれる優月君には感謝している。
「ありがとう優月君」
「早く保健室に行きましょう」
「うん」
優月君が手伝ってくれて賢吾を支えながら保健室へと急いだが
向かう途中の廊下ですれ違う生徒の視線が異様なものを見ている感じがして居た堪れない。
そう思っていると走ってトラジさんが来てくれたお陰で僕達は見られなくなった。
それにトラジさんが視線に気づいてくれたのか優月君の隣ではなくて僕の隣を歩いてくれた事。
ありがとうございますトラジさんに優月君。
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