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第28話 卒業
「俺にも嫌な時は本気で抵抗して嫌だって言えよ。じゃないと好き放題に優ちゃんをメチャクチャにしてしまう」
心翔の声が震えている。
でも心翔にされるのは嫌じゃないんだけど好きな人に触れられるなら嫌じゃない。
「僕は、心翔が好きだから嫌じゃないよ」
「さっきみたいに無理矢理しても平気なのかよ」
確かに苦しいけれど僕がされてきた事に比べたら平気だった。
僕にとって当たり前の行為がもしかしたら心翔とかには当たり前の行為じゃないの?
「心翔も知ってるよね。僕がされてきた事。だから平気なんだよ」
「ごめん。思い出させる様な事を言った」
「謝らないで何かあったの?」
心翔の様子がおかしい様に思えてそれがどうしてなのか分からない。
縛る前までは普通にしていたのに・・・・・。
「あっ・・・心翔もしかして・・・・・嫌な事を思い出したの?僕が縛ったから?」
心翔は抱きしめていた僕の身体を押し倒して貪る様に唇を重ねてくる。
ごめんね心翔。
正臣にされた事の傷が癒えてないんだよね。
僕もたまに昔された事を思い出して怖くなるけれど心翔に触れられる時は僕を大切に思っているのが伝わってくるから怖くないし嫌じゃないんだよ。
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