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第5話 ある日の出来事
指と指を絡めて手を握られる。
それすら僕は敏感に感じてしまい塞がれている口から吐息が漏れそうになる。
抵抗しなきゃ・・・。
そう思えば思う程に身体から力が抜けていってしまい力が入らない身体を心翔が腰に腕を回して支えてくれていた。
「優ちゃんのその顔は誰にも見せたくないからココまでだ」
心翔は唇を離して意地悪く耳元で囁くと軽く甘噛みしてくる。
僕は本当に身体から力が抜けるかと思うくらいに力が入らなくて心翔の腕の中に身体を預けた。
「心翔のばか・・・」
「そうだな俺は優ちゃんにバカなくらい惚れてる」
2人の世界で周りの雑音なんて気にならなくてきっと前の僕なら凄く気にしていたと思う。
けれど僕は心翔だけ側にいれば・・・大切な心翔が側にいたら他に何もいらないよ。
「でも心翔、好きだよ」
「うん。知ってるよ優ちゃん。ずっと一緒だそれから俺の隣にいてずっと笑っていろよ」
心翔の腕に力が入る。
永遠なんてあるか分からないけれど僕は心翔の側にいたい。
ずっと心翔の隣で笑っていたい。
心翔もずっと僕の隣で笑っていてくれたら嬉しいな・・・。
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