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第3話
まただー…
もう深夜2:00なのに、玄関の鍵が開く音がした。
きっと帰って来たのは、僕の彼氏の弓月先輩。
最近ずっと帰りが遅い。
でもしつこいとか束縛されてるとか、そう思われちゃったら嫌われちゃうから何も聞けない。
そんな中先輩は、お風呂に入ったらしい。
僕は怖いもの見たさにベットを抜け出し、そっと洗面所に行き先輩の脱いだ服を嗅いでみた。
やっぱりだ。
無駄に甘ったるい、女の人がつけてる香水の匂いがするー…
こんなに匂うってことは、相当密着してたってこと、だよね
でも、本人に聞いたわけじゃないし、決めつけたらダメだよね…?
そう思いながら、服を元の場所に戻しフラフラと寝室にもどる。
やっぱり、アレなのかな…
『浮気』
そのフレーズが頭の中を支配して、それ以外に何も考えられなくなる。
目が潤んできて、目から涙が溢れそうになる。
何で?
どうして先輩…
僕にイケナイところ、何かありましたか?
そしたら、直すから、
なんでもするから…
僕を嫌いにならないでー…
先輩…僕じゃ貴方には釣り合わないことぐらい知っているんです…
でも、別れたくない。
もう、終わり……?
涙が一筋頬を伝った。
でも優しく拭ってくれる先輩は、今は目の前に居ない。
居たとしても、きっと僕に関心なんてない。
心の中に僕なんて居ない。
先輩はもう僕だけの人じゃないのかな…
それとも、はなから僕だけの人じゃなかったのか
先輩ー…
苦しいよ…
怖いよ…
僕の心が悲鳴をあげるー…
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