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第4話

ジリリリリリ 目覚ましの音で目を覚ますと、目の前に先輩の寝顔があった。 僕と先輩は、キングサイズのベットで一緒に寝ている。 うん、一晩たったら少し落ち着いた。 きっと先輩は浮気なんてしてないし、僕は先輩と一緒にいれるだけで満足だもん。 好きで好きで、先輩の顔をじいっと見てるとイキナリグイっと抱きしてられた。 「せ、先輩っ!」 それだけで、頬が紅潮してわたわたしてしまう。 「ん〜…おはよ、貴澄…そんなわたわたして可愛い」 「ふぇっ?!」 可愛いなんて、恥ずかしいよ… でも嬉しくてつい、チラチラ先輩を見てしまう。 そうすると、ニコッと微笑んでくれて飛び上がりそうになるくらい幸せ。 つい、ぎゅーっと先輩の胸に抱きつくと、ふと何か目に付いた。 …あれ? 見間違いかなあ… 目、疲れちゃったかな。 だって、浮気なんてしてない先輩にキスマークがあるなんてー… おかしいよね? つい、ビックリして固まってしまっていると先輩は緊張していると勘違いしたのか呑気にクスクス笑っている。 だけど、誰かが付けたキスマークをずうっと見るのはちょっぴり耐えられなくなって、 「先輩、朝ごはん先に用意しちゃいますね」 そう言って僕は、寝室から出て、知らない人の牽制から逃げた。 だって、それ以外あの場で泣き崩れない様にする方法なんてなかったんだもんー…

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