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第5話

side:弓月 「んー、気づいちゃったかな…貴澄」 貴澄とは、僕の恋人で男とは思えない程可愛らしい後輩だ。 僕には勿体無いくらいのイイ子。 本当に勿体無いぐらいー… 貴澄が寝室から出てった後、自分の鎖骨辺りにキスマークがあったのに気づいた。 ハッキリ言って、アレが貴澄にバレタかと一瞬肝を冷やしたが、部屋を出るとき普通に笑顔だったし気づいてはいないだろう。 ただでさえ鈍ちんなのだから。 これを友人の裕哉に知られたら咎められるだろうし、本当に好きなのかと問われるだろう。 でも、貴澄が好きなのは本当だし別れる気もない。 自分でも最低だと思う。 でも、仕方がないとも思う。 だって僕だって男だし、聖人君子じゃない。 だから、これは許容範囲だー… そう思い込んで、僕はまた今日も貴澄に何事もなかった様に笑いかける。 貴澄がどう思っているかなんて考えもせずに。 そして、それに後悔するのも暫く後の話ー…

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