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第1話 ことの発端は
俺は今年の4月から某有名私立大学に進学するはずだった。
なのに両親が、替え玉受験なんてしてくれた。
「ちょっとちょっと、俺の頭なら簡単に進学できたよね?!」
俺は母さんを問い詰めた。
「だって……みっちゃんは緊張するとお腹が痛くなっちゃうから、ママが気を使って……」
なんてことしてくれたんだ……。
父さんは『まさか世間様にバレるとはな』と唸っていた。
「冗談じゃないよ……、彼女にはフラれるし!俺の人生はここで終わりだ!!」
「あっ、みっちゃんっ!!こんな夜更けにどこに行くの?!ママに行き先を……」
「……少しバイクで走ってくるだけだよ!!」
俺は夜中にガレージからオートバイを出てエンジンを吹かした。
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