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(12) 慾
布団の上
押し倒された俺は、時政様を見上げている。
(なんなんだ、この感情は……)
時政様に身を任せるって、そう約束したけれど。
(触れたい)
時政様に触れたくてたまらない。
彼の胸元に手を伸ばす。
指を紅い痣に這わせた。
(この跡も)
指先がなぞる紅い筋さえも、愛しい。
体が熱い。
痣に触れた指が、
時政様が触れた肩が、手が、首が、胸が……
熱い。
(俺、欲情してるの?)
ハァハァハア
呼吸が荒くなる。
でも時政様に触れていたい。
体温は際限なく上昇し続ける。
欲しくて脚を絡ませる。
指が、痣を辿りながら……
「悪戯だな?」
「ヒャウぅ」
胸の小さな実を咥えて、舌先で転がされて。甘美な悲鳴を上げてしまう。
「歯止めがきかなくなるぞ」
「イイっ」
気持ちいい。
もっと、あなたによくされたい。
胸の実を食まれて体が跳ねる。
悦楽に酔った体は、あろう事か、脚の間の昂りを彼の太股 にこすりつけている。
唇が下に降りる。
胸から、腹
臍 の下
袴の帯をほどかれて、毛の生えていないギリギリの場所を、チュっと音を立てて吸われた。
(アっ)
これ以上はっ。
俺の下着……ベチョベチョだ。
先走りの液で、恥ずかしい事になっている。
月明かりだって分かるくらい……
下着に染みができている。
脚を閉じようとしたけれど、屈強な両腕に阻まれてしまう。
「……凄いな」
時政様に呆れられた……
どうしよう。
下着は脱がされずに、横から雄しべを取り出される。
「剥く必要はないなァ」
「ハゥうん」
先端の敏感な場所を指でこすられて、ドクンと蜜が垂れる。
ベトベトなソレは、しっかり上を向いていて、意地悪な手が強弱をつけて行き来する度、ビュクビュク汁が止まらない。
「可愛い雌しべだ」
「ヤ、あはゥ」
どうしよう……
下半身が歓喜している。
ドクドク、ビクビク恥ずかしいミルクを漏らして。
時政様が呆れてしまってる。
なのに、快感が止まらなくて、俺……ハァハアハァ……腰まで振って。
「ヤンっ」
せめて時政様の視線から逃れようと、身をよじるけれど。
「私も同じだ」
下帯越し……
熱い剛直を、雄しべに押し当てられた。
(固い)
そして、大きい……
時政様も興奮してる。
(俺で雄しべ、膨らませてる)
恥ずかしい悦びが胸の奥から沸き上がって、昂りが熱で膨張する。
「一度ヌくか?」
気持ち良くて、苦しくて。
早く出してしまいたい。雄の慾 を。
「ヤっ……時政様といっしょがいい」
快楽の波に揉まれる意識の中、必死に首を降った。
「辛いぞ」
……と言った彼が微笑む。
「アゥアアぁアー」
パクリ
皮の剥けた先端を咥えられてしまい、生あたたかい感触が高速で回転する。
(舌、だ……)
時政様の。
先っぽをノックされると同時。
「ハゥっ」
あらぬ場所
………後ろの大事な蕾を潤滑油まみれの指が、暴いた。
プツリと入った指が、抜き差しして中を掻き回す。
(どうして、こんな事っ)
「お前を傷つけたくない。我慢しろ」
そんなのできない。
イっちゃう!
なのに。
根元をグゥっと掴まれて、解放できない。
出口のない快楽に、グルグル意識が回る。
「アっ、ヤァ……イかせてぇ、お願いっ」
「ダメだ、お前が望んだんだろう」
でも、こんな事されると思わなかったから。
時政様の、すぐ挿れてくれると思ってたから。
脚に時政様の昂りが擦りつけられた。
欲望で膨らんだ雄が熱い。
「コレが入ると思うなよ?」
………なに?
快楽に飲まれた意識で、まともな思考が働かない。
「もっと大きくなるぞ。十分慣らさないとな?」
こんなに優しい声なのに、残酷だ。
行き場のない快感に侵食されて、爪先が痙攣した。
俺のからだ
「変になるぅッ」
アハンぅ
喉をのけ反らせて、肩にしがみついた。
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