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「っ……はぁ、はぁっ……」  天宮くんのものと思わしき、ただなるぬ息遣いが聞こえ、僕は不思議な心持ちになる。  上からでは天宮くんの表情が見えず、様子が今ひとつ分からない。  息を荒げた天宮くんは、辛子色の帯を震える手でゆっくりと解いていき、はらりと帯を落とした。今度は急くように、紺色の着物を肩から滑らせ、白い長襦袢姿になる。  細い紐を解き、地面に落とす。襦袢の前がはだけ――僕はそこで目を見張った。  天宮くんの下半身の雄が上を向き、外部に晒されていたのだ。  下着を付けておらず、僕は驚きのあまり顔を上げ息を呑む。  いつも能面のように表情を変える事がなく、冷静で臆するところを見たことがない天宮くん。そんな彼に、この様に秘められた変態的趣向があったとは驚きだ。  僕は乾いた唇を舐め、もう一度下を覗き込む。  天宮くんは立ったまま、自らの雄に右手を添え動かしていた。 「はぁ、ん……っ……」  苦しげに着物の袖を噛み、声を漏らすまいとしているようだった。  表情がわからないのが非常に残念だ。あの女の様な美しい顔が、苦痛に歪んでいるのだろう。  天宮くんの濡れた瞳を見てみたい……僕は夢中で天宮くんの痴態を見続けていた。  床に押し付けていた下腹部に鈍い痛みを感じ、僕もいつの間にか熱が溜まってることに気がつく。 「ふっ……んくっ……」  苦しげな息遣いが、小さく聞こえてくる。  ああ、今からそっちに行って、その苦しみから開放してあげたい……。  ふと、目を凝らすとランプに照らし出され天宮くんの雄の先端が、濡れて光っていた。さらには紐のようなものが巻き付いているのが見え、思わず瞠目する。  これでは苦しいのも当たり前だ。出そうにも、これでは不可能極まりないだろう。  それでも、これが天宮くんの嗜好なのかと、余計に僕は天宮くんに興味を惹かれていく。  しかし、このまま見続けていたら、僕の理性がもちそうもない。  仕方なく、部屋に戻ろうと体を動かす。その瞬間、全身が突っ張ったようになり、下腹部が脈打つ。  生暖かい感触に、吐精してしまったのだと気づいた。  やってしまったと歯噛みする。だからといってどうすることも出来ず、不快感を下腹部に感じつつも、慎重に自室まで這っていく。  ぬるっとした感触に、眉根を寄せた。それでも不快感と同時に、天宮くんの痴態を見ることが出来た喜びも込み上げてくる。 ――天宮くん、待っていたまえ。僕なら君を理解してあげられる。  自然と頬が緩んでしまう。これで、退屈な日々から開放されそうだ。

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