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「……外してほしいのかい?」
天宮くんの雄を握り、腰をゆるゆると動かす。小さく悲鳴をあげ、耐えられないといった様子で、天宮くんはコクコクと首を縦に動かす。
「それなら、これから毎日僕の所に来ると約束してくれ」
「えっ……」
天宮くんが愕然とした表情に変わり、絶句している。そんな顔でさえ、僕からしたら魅力的に見えてしまう。
「嫌なのかい? 君も楽しんでいると思っているのだが」
天宮くんの細い腰を掴み、ぐっと腰を押し込む。天宮くんが悲鳴をあげて逃げようと藻掻くが、追いかけるように腰を突き上げていく。
「あ、あぁっ、い、いやぁっー」
「はぁっ……どうなんだい?」
「わ、分かりましたから……は、やくはずしてくださいっ」
天宮くんも限界に近いようで、目が少し虚ろで唇の端から唾液が溢れている。
僕は一旦動きを止め、天宮くんの雄に絡みついた紐を解いていく。赤く筋が残っていて、なんとも痛々しい。
「ああっ…はぁっ…はぁ」
解いている間も何度も天宮くんは体を震わせ、切なく悶ている。
「君は最高だな。僕を楽しませてくれる」
解き終えると、僕は前のめりになり天宮くんを見下ろす形をとった。深く中を抉り、天宮くんが目が見開かれる。
濡れた瞳をうっとりと眺めながら、僕は激しく腰を打ち付けていく。
「ああぁっ、――いっ‥‥‥やだ、あっ」
「あ、天宮くん……僕もそろそろ限界のようだ……」
僕は汗を額から流し、天宮くんに囁きかける。天宮くんが僕の背に手を回し、着物を強く掴んでくる。天宮くんも限界なのだろう。
ぐっと腰を突き上げると、僕の全身が快楽の波に飲み込まれてしまい、天宮くんの中に吐精した。
「ああっ――」
天宮くんも体を震わせ、僕の腹部に温かい液体をかけていく。
よっぽど良かったのだろう、いつまでも雄をビクビクと震わせ吐き出し続けている。恍惚とした表情で、唇を薄く開いていた。
「よかっただろ?」
僕は囁き、天宮くんに口付けを落とす。開いた唇の隙間から、舌を差し込み無理矢理絡ませていく。
「んんっ‥‥ふっ‥ん」
苦しげに眉根を寄せ、天宮くんも舌を絡ませてくる。
最後に唇を軽く吸い、顔を上げる。見つめてくる瞳が蕩けているように、艶 やかだ。濡れた唇が、赤みを帯びていて薄く紅を差しているようにも見える。
「今日よりもっと、いい事をしてあげるよ」
天宮くんの頬に手を当て、うっとりと囁く。天宮くんは恥ずかしげに視線を彷徨わせ、ゆっくりと頷いた。
これで、僕の退屈は当面凌げそうだ。僕は堪らないほどの、幸福感に満たされてゆく。
他の者では味わえない、天宮くんとだからこそ、この遊戯が成立するのかもしれない。
そして僕は、この遊戯の虜になってしまったのだろう。はたまた、天宮くんの美しく乱れる姿に魅了されてしまったのだろうか。
明日もまたこの場所で、天宮くんとこの遊戯を楽しみたい気持ちは、寸分違わぬ事実ではあった。
僕は胸を震わせ、天宮くんを見下ろし微笑む。
ーー天宮くん。明日はどんな遊戯をしようかね?
終
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