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Ⅰ グッド・バイ⑥
「ヒャアぅンっ」
こらっ。
変なところに、膨張した昂りをこすりつけてくるな!
変な声が出ちゃったじゃないか。
「イイ声♪可愛いゼェ」
「アハァう」
だからっ。
そんなデカいのこすりつけられたら、俺の雄しべが、ビュクンッ……てなるだろう。
「こういうの、好きだろう?なにせ俺の雄しべ、ずっと見てたもんなァ」
「メロ、スっ……当たってる」
「当たってんじゃなくて、当ててんだよ。お前が物欲しそうに見てたヤツだ。嬉しいだろう?」
「ちがっ」
俺は物欲しそうにみてたんじゃない。
大きいなぁ……って。
自然と視線がソコに見入ってしまっただけなんだぁー!
「ァンっウ」
否定したいのに。甘い息が漏れてしまう。
「楽しもうゼ♪俺たちは伴侶なんだから、こういうコト、いっぱいしようなァ」
伴侶って。
まだ認めた訳じゃないのに~。
ハァハアハァっ
呼吸が上がって上手く喋れない。
「腰振って、こすりつけて……淫乱」
からかうように、唇が耳朶をすくった。
(だって)
あんなに当ててきたのに、今はちっとも動いてくれないからぁ。
「可愛い雌しべだ」
「俺のは、雄しべだぁ……んっ」
チュッ、と首筋を食 まれて、反射的に強く、こすりつけてしまった。
俺の雄しべ。
メロスの太股 に。
「アンっ」
気持ちいいよぅ。
でも、もっとぉ……
もっと刺激がほしい。
気持ちよくなりたいよぅ。
下半身の……固く反り返った昂りに、血流が巡ってドクドクする。衣服の下が、パンパンに膨れ上がってる。
熱をもたげて、苦しいくらいに張り詰めた欲望を、大きな掌がそっと撫でた。
「俺の雄しべを、こんなに興奮させといて、雄しべなんてよく言うなァ。この雌しべは」
ヒヤリ
素肌に冷気が這った。
肌を守る衣服がすっかり取り払われている。
(俺の下半身っ、下着一枚になってるよー)
嗚呼、俺の貞操よ!グッド・バイ
そんなのイヤァァァー!
「俺のズボンっ」
人前で、しかも外で、下着一枚になるなんて有り得ない。
俺はメロスじゃないんだからな。
(………あ)
メロスは下着一枚どころか、包み隠さぬ全裸スタイルだった★
と、とにかくっ。
こんなあられもない格好、恥ずかしすぎる。膝まで下ろされたズボンを、上げようとするけれど。
手を、ぎゅっと。
メロスに掴まれてしまう。
捕らわれた俺の手は……
「触ってみ?」
固くて太い熱に導かれた。
血流が脈打って、熱い。ドクドクしている。触れたソレは、筋がくっきり浮かんでいて、撫でると、ビュクンッ……て、大きくなった。
今でも十分な重量なのに。
(まだ膨らむのかよ)
すごっ!
ドクンッ
反り返った猛々しい雄に、俺の熱も反応してしまう。
「大きくなったな?」
「言うなぁ」
「可愛い雌しべだ。大きくしないとな?」
お前を基準にするな。
そんなのと比べたら、俺のなんて。
「可愛い雌しべ♪」
チュク
言葉で嬲られて、舌で耳の穴を嬲られて。
ピュクンっ
先端が蜜を垂らす。膨張した欲望はベトベトだ。
「また大きくなったなァ」
恥ずかしい下着の染みが広がったのを、目ざとく見つけて。
「ハあァアンっ」
下着の染みに唇を落とされた。
「今度はナマで見せろよ」
下着を下ろされて、竿をしごかれ、敏感な先っぽを指の腹で擦られた……瞬間。
「ヤァアンァアアーっ!」
ビュクビュク、先端にあふれ出したミルクが止まらない。
欲望の蜜を腹まで飛ばして、盛大に吐き出してしまった。
「感度良すぎだろ」
ギトギトに指を汚した白濁の汁を、ペロリと舐めた。
「悪くねぇゼ」
額に唇が触れた時……
天から一枚、漆黒の羽が舞い落ちた。
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