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第1話

彼との関係に何かを求めてはいけない。 それは、僕が勝手に決めたこと。 彼は結婚してるし、仕事だってある。 だから、いきなり予定を取り消されても何も言わないし、 突然の呼び出しにも文句は言わない。 でも、でもさ、最後のデートくらい時間通りに来てくれてもいいじゃん。 あと、今だけでもその嫌味に輝く指輪を外してくれてもいいじゃん。 頭の中ではいくらでも本音がいえる。 でも、出会いがしらのキス一つで僕は黙ってしまう。 今日も、彼の好きな清楚を装ってきたんだから。

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