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第2話
僕は、彼にとってとても都合のいい存在。
おとぎ話に出てくるヒロインなんかよりもずっと健気だし。
いや、自分で言ってしまうあたり健気じゃないのか・・・
でも、後ろめたいことの相手には丁度いいよね。
僕は、彼という幻に恋をした。一時の甘い夢に。
あなたは、最後まで優しい夢を見ていればいい。
あなたには僕が全て知っていて、その上で受け入れて、納得してこの関係を築いていると思っているんだろうね。
でも、それは違う。我慢してるだけ。
僕が、彼にとっての僕の存在を聞けたら、毎晩毎晩枕を濡らすこともなかったと思う。
でも、僕にはその勇気がないから、ずるずると続けてしまった。
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