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第5話 噂の王子様 5

黒板前に情けない表情で辿り着いた俺は、クラスメイトA、Bと王子に混じって問三を解こうとチョークを握った。 …よりよって、問三。 だいたい問題って設問の数字が大きい方が難しいって、相場が決まってるんだよな。 先生も俺が数字出来ないの知ってて、難しい問題を当てるんだから、絶対に嫌がらせだ! 俺が何をしたっていうんだよ!? まぁ、宿題やってきてなかったけどさ…。 うーん、と唸る余地もなく諦めの境地で立っていると隣からはカッカッカッと小気味の良いチョークを走らせる音がしてくる。 右隣を見ると神が綺麗な長い指でチョークを正しく持って、設問を解いている。 長身の神を俺は見上げる形でいた。 斜め下からもカッコいいとか卑怯じゃね? 普通は鼻の穴が広がって見えるとか、顔の輪郭実はイマイチとか、この角度は不細工とかさ?! 王子たる所以を垣間見た俺なのだった。

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