7 / 53

第7話 噂の王子様 7

すると先生は「顔を上げろ、七瀬」と言うもんだから直ぐに上げた。 「早すぎだろ。反省しろ!」 「痛いっ!」 「邪魔だから席に戻れ」 頭を小突かれ、邪険に扱われつつ席に戻された。 そんな俺の様子を見てクラスメイトがクスクス、アハハと笑っている。 恥は掻いたが、まぁこの難局を乗りきったのだから由としよう! フフンッと情けなくも晴々しく思いながら黒板に視線を向けると、何だか落ち着かない視線を受け取った。 右の頬に突き刺さる、この視線は…誰だよ、まだ俺の失態を小バカにしてるヤツは!? 何となく顔を巡らせてみると…。 「!!?」 バッと顔を戻した。 王子が見ていた…俺を…何で?

ともだちにシェアしよう!