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第13話 『ハジメ』だよ!!
健太が来たけど、どうにも顔を上げる気になれない。
先生に小突かれて起きた俺は、神の事を思い出したからだ。
あれから一切、そっちは見てない。
授業の間中、ヤツからの視線を感じてたからだ。
王子、何処かに行ってくれないかなぁ…。
もう見てないよな?
落ちつかん!!
なんてグズグズ考えていれば、健太が俺の染めていない髪の毛を弄び始める。
ヤメイッ!
手で振り払うけど、直ぐに触ってくる。
鬱陶しいなぁ、もうっ!
「おーい、どうした?起きろ~!」
今は起きたくないんだよ!ってか、王子はもう居ないかな?
なんか視線慣れしてないから居心地悪いんだよね…って、髪の毛をクルクルさせるのやめろっ!
無言で抵抗していると、健太の手が離れていたった。
が、
「おーい、起きて~モエくーん!!起きろ、モエ!!」
「ハジメだよ!!」
俺はガバッと勢いよく起き上がると、即座に訂正した。
例のお笑い芸人のお約束ネタっぽく訂正した。
この健太とのやり取りも、お約束になりつつある。
俺の名前は、七瀬 ハジメ…萌と書いて『ハジメ』と読む。
モエでは、ない。決してな。
この可愛い女の子みたいな漢字を使ったオタクな両親を恨みます…おのれっ!!
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