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第18話 モブだよ、モブ!
クラスが同じになってから一度も話したこともなければ、目が合うこともなく。
そして俺も『王子とかいうあだ名スゲェ』位にしか思ってなかったから意識もそこまでしてなかった。
だけど王子はやっぱり王子で、毎日何かしら話題を持っていく。
自然とクラス全体の空気に流されて、つい視界には入れてしまっていた。
それは一方的なモノであって、相互ではない関係。
それが今日、視線が合って絡まっていたという事実が、平凡な俺の脳を活性化するには充分だったらしい。
なんか一時的な勘違いを興した自分が恥ずかしい。
なんかちょっと、非日常を味わって高揚していたんだ。
平凡には、特別な時間に思えてたらしい。
とはいえ、相手にはいつものことで。
決して大したことではなかったらしいけど。
平凡ってこんなもんだよな…。
「はあっ…」
溜め息も出るってもんだ。
神の存在が大きすぎて、俺はその主人公の放つ光のせいで生まれた陰に生きてるモブだよ、モブ!
陰険? 暗い?フンッ!たまには卑屈にもならせてくれよ!
平凡の宿命を背負った俺は、溜め息をついて神の事を脳の隅へと追いやった。
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