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第35話 商人と代官

「まぁ、いい。じゃぁ、分割払いでいいな」 神にそう言われて、素直にウンと頷く。 「月に一万円ずつでいいから」 月に一万円ずつでイイカラ? 「なら、この一年もあれば余裕だろ?」 ヨユウ? 神のお小遣いが幾らかは知らないけど、きっとブランド品を余裕で買えるくらいの額を貰っているんだろうなと想像はつく。 一万なんて、俺の小遣いでは全く賄いきれない金額なんですけど…。 「あ、あの~その支払い金額なんですけどぉ…」 俺は何処かの悪徳商人みたいにヘコヘコしながら、お伺いを立てる。 向かい側に立つ神は腕組みして「なんだ」と、こっちはこっちで悪代官の様だ。 「返済金額…減らして貰いたいんですけどぉ~」 悪代官の綺麗な眉がピクッと持ち上がった。 「幾らだ?」 「えっとぉ~…」 「ハッキリしろ」 俺は少し考えてから、指を一本立てた。 「?」 神が目を細める。 「えっと…その、千円で」 俺はニヘラッと緩く笑った。

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