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第14話
その男は、ジッとシエルの瞳を見つめる。
シエルはバレてはいけない、と目を逸らし、ギュッと目を瞑ったが、それはもう遅かった。
「君、カラーコンタクトしてるね?悪いけど外させてもらうよ」
「嫌っ!だめ!!!」
「暴れないで。下手すると失明するよ?」
グッと顔を押さえつけられ、瞳に指が伸ばされた。
ブルーのカラーコンタクトが目から外され、シエルの本当の瞳の色を見た男たちは感嘆の声をあげる。
「なんて綺麗な瞳。……………待てよ、翠と紅のオッドアイ?こいつもしかして、消えたランベリク家の第一王子じゃないか?」
「は?マジっすか?!こいつもしかしてすごく高値で売れるんじゃ?!」
バレてしまった。
ペリグレットに復讐をできないままに奴隷になるのか?
シエルが舌を切るか迷っていると、それに気づいた人攫い屋はシエルの口に詰め物をした。
「舌を噛まれて死なれると困るからね。君はペリグレットにある1番大きなオークション会場で売り捌くとしようか。どんな値になるか楽しみだよ」
ペリグレット…!?
これはもしかして、またとないチャンスなんじゃないか?
シエルはあわよくば逃げ出して、ペリグレットの国王を殺してやろうと思案した。
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