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第13話
「うっ………」
シエルはガンガンと痛む頭を抑えながら、顔を上げた。
手足と首には枷が嵌められ、鎖で繋がれて檻の中に囚われていた。
ニヤニヤとガラの悪そうな男たちが、シエルの檻の前にしゃがみ、舐めるような目で全身を見た。
こいつらが自分を攫った奴らかと、シエルはキッと男たちを睨んだ。
「そんな威嚇しないでよ。せっかくの美人が台無しだ。しかし、可哀想になぁ。お前はあのジジイに1000万で売られたんだよ。しかも女だと思って交渉したのに、まさか男だったなんて、俺たちも騙されたもんだ」
人攫い屋はケラケラと笑い、檻の中へ腕を伸ばし、無抵抗なシエルの太ももをツゥ…となぞった。
抵抗できないシエルは男の腕に唾を吐く。
「てめぇ!!!」
「おい、待て。そいつは商品だ。傷物にするな。」
逆上した男がシエルを殴ろうと檻を開けたが、もう1人の男がそれを制した。
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