13 / 266

第13話

「うっ………」 シエルはガンガンと痛む頭を抑えながら、顔を上げた。 手足と首には枷が嵌められ、鎖で繋がれて檻の中に囚われていた。 ニヤニヤとガラの悪そうな男たちが、シエルの檻の前にしゃがみ、舐めるような目で全身を見た。 こいつらが自分を攫った奴らかと、シエルはキッと男たちを睨んだ。 「そんな威嚇しないでよ。せっかくの美人が台無しだ。しかし、可哀想になぁ。お前はあのジジイに1000万で売られたんだよ。しかも女だと思って交渉したのに、まさか男だったなんて、俺たちも騙されたもんだ」 人攫い屋はケラケラと笑い、檻の中へ腕を伸ばし、無抵抗なシエルの太ももをツゥ…となぞった。 抵抗できないシエルは男の腕に唾を吐く。 「てめぇ!!!」 「おい、待て。そいつは商品だ。傷物にするな。」 逆上した男がシエルを殴ろうと檻を開けたが、もう1人の男がそれを制した。

ともだちにシェアしよう!