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第20話
取引コーナーでは、この日のオークションで商品を勝ち取った総勢15人の貴族が集まった。
その視線は自分の商品ではなく、全てシエルに向けられていた。
「あんな綺麗な瞳見たことがない」
「本当に男なのか?是非証拠を見せてもらいたいものだな」
「10億だなんて耳を疑うわ」
シエルが好奇の目に晒されていると、
カツン…と靴を鳴らす音が響いた。
ペリグレット国王だ。
皆がシンと静まる中、エルヴィドが男の肩を叩き、笑顔で話しかけた。
「ペリグレットの国王様はどういう気の迷い?自分で没落させた国の王子を、奴隷として買い取るなんて。それに、俺だってそのコ、狙ってたのになぁ」
既に取引が成立したエルヴィドは、美女の肩を抱き、ペリグレット国王に問いかける。
皆は王が怒らないかと冷や汗を垂らしながら、各自落札した奴隷を受け取り、そそくさと帰っていった。
「お前には関係ないだろう、クライトマン。
金の使い方くらい俺の自由だ。」
ペリグレット国王はいくつものアタッシュケースを会場側に渡し、シエルを受け取った。
「おい。付いて来い」
首に繋がれた鎖を容赦なく引かれ、シエルは嘔吐きながらペリグレット中心部にそびえ立つ城へ連れ帰られたのだった。
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