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3章【奴隷宣告】

ガシャンッ…ジャラジャラ…… 王はシエルの鎖を引き、ペリグレットの中心部にある自分の城へと足を踏み入れた。 シエルの手足に装着してある枷と、城の地下牢である拷問室の壁とを固定し、目隠しと耳栓を外してやった。 商品として出品されていたシエルはマジックミラー加工が施された目隠しと密封型の耳栓をされており、視覚と聴覚が完全に遮断されていた。 突然感覚が戻ったことにより驚き、そしてシエルは視線を目の前に立つ男の足元から上へと移動させた。 「あ…、あなたは…っ!!」 そこに立つのは忘れもしない、 2年前にシエルが出会ったあの少年の姿があった。 そう、世界最恐と謳われるペリグレット国王の名は、 《アルベール=ヴィクトリア》 2年前、シエルが恋に落ちてしまったのは、 憎きペリグレットの国王だったのである。

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