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第184話

「まぁまぁ!ジューベル家のお子さんは粗暴なのねぇ。これじゃあ、安心して暮らせないわぁ〜」 「弟が失礼なことをして、申し訳ありません。今後このようなことがないように、しっかりと叱っておきますので…」 レベッカはバルトの腕を引いて、そそくさと屋敷の中へ帰った。 バルトはレベッカの腕を振り払い、大きな声で反論した。 「姉様!なんであんなおばさんに好き勝手言わせてるのさ!!姉様も僕も、何も悪いことしてないじゃないか!」 「バルト、落ち着いて。ここの暮らしじゃ、ご近所付き合いが大切なことくらい、わかっているでしょう?私たちはただでさえ、除け者にされているんだから…」 「だからって!!」 「バルトの気持ちは嬉しいわ。だから、そんなに怒らないで?ほら、もう夕食のいい匂いがするわ。行きましょう?」 納得のいかないような、自分達が暮らすには窮屈すぎる世の中に、幼いバルトはどんどんと世間への疑問を抱いていった。 ここに住む人間はみんな汚い。 心が汚いくせに、キラキラと輝く宝石や、高そうな衣服で着飾って、自分を良く見せようとしている。 そんなことをしたって、汚いままなのに。 姉様の方が、何百倍も綺麗だ。 そう思った。

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