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プロローグ
君に逢えなくなって
はじめて気づいたことがある
誰かを考えて切なくなる胸の痛みを
もう二度と逢えないんだと分かった瞬間から
君に逢いたくなった
人を好きになる意味が分からない俺に理解させようと
好きの気持ちを君は教えてくれた
あたたかいだけじゃなく
相手を包み込む優しさで満ち溢れるそれに
俺を包み込んでほしかった
愛されたかった――
そう思った瞬間から俺は君に恋をした
恋愛なんて脳の誤作動から起きていると
心底馬鹿にしていたのに
だけどこの想いを伝えたところで
君はそれを俺の本心だは思わない。
それどころか煩わしさしか感じないだろう
君にとって不快感しか与えない俺を
どうか忘れてほしい
君が心から愛する人と幸せになってほしい
最後までこんな我儘しか言えない俺を
どうか嫌いになってほしい
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