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現の夢13

*** (二日連続で、悪夢を見ることに失敗した。これじゃあ番人さまが、逢いに来れないじゃないか!)  目覚めた途端に敦士は頭を抱える。しかも二日続けて夢精を続けるという、非常に嫌な醜態までついていた。  ネットで調べた悪夢を見る方法を試したというのに、実際見たのは番人との行為の夢ばかり――。 『敦士、俺が来た意味が分かるだろう?』  そう言いながら身に着けていた衣服を素早く脱ぎ捨て、すとんと自分の前に跪く。 「番人さま!?」 『俺はとっとと、お前から精をいただきたいんだ。つべこべ言わずに差し出せ』  見るからに不機嫌そうな表情で言うなり、スラックスと下着を下ろしてから、自身を口に含んで舌をねっとりと絡ませる。 「うはっ、ぁあっ!」  眉根を少しだけ寄せながらプラチナブロンドを乱して感じさせる番人から、敦士は目を離せなかった。 「ばっ番人さま、僕以外とはこういうこと――」 『するわけがないだろう。だってお前は約束してくれたんだから。必ず悪夢を見ると』  番人が喋るたびにちらりと見え隠れする赤い舌が、敦士を感じさせるように先端を狙って蠢いた。 『今宵もお前のモノは元気だな。中に挿れるのが楽しみだぞ』 「番人さま僕は……、僕は貴方の役に立ちたい。そう思って抱いていました」  番人の口から自身を抜き去り、同じ目線に合わせるべくしゃがみ込んだ。 『これからも、俺の役に立ってはくれないのか?』  少しだけ顔を傾けながら上目遣いで敦士を見る番人の頬に、右手を伸ばした。 「もちろん番人さまのお役に立てるように、頑張って悪夢を見ます。きちんと悪夢を見て、番人さまに精を捧げることを誓います。ですから――」 『なんだ?』 「番人さまのお心を、少しだけいただけないでしょうか。ほんの少しでいいんです」  言いながら顔を近づけて、番人の唇を塞いだ――自分の無理な願いは間違いなく断られるものだと思ったので、答えられないようにキスをした。

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