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《BOUSへ…》

12月末の日曜日、昼過ぎ。 アキラがみずきのアパートで一緒に暮らしはじめて1ヶ月ほどが経つ… 今日は昼の仕事が休みだったみずき。 アキラと2人、のんびりした時を過ごしていた。 「じゃ、そろそろ行こうかな…」 アキラは、そう呟いて重い腰を上げる。 「あぁ…」 みずきも無表情でアキラの足元をチラッと見て、立ち上がる。 そしてアキラのリュックを取ってくるみずき。 なんとなく不機嫌そうなみずきをみるアキラ… 普通を装っているけど… やっぱり機嫌よく送り出してはくれないよな… そう思いながらリュックを受け取る。 「…送っていこうか?」 みずきの言葉に軽く首を振るアキラ。 「いいよ、もうタクシー呼んでるから」 今からアキラが行くトコロは…BOUS。 今日はバイトの日なのだ…。 アキラが行っているバイトBOUSとは… 法的にかなりヤバめのお仕事。 みずきもそこの卒業生だ。 「…そうか。なら、終わる頃に迎えにいくから…」 みずきは、真剣にアキラへいう。 「別にいいって、いつ終わるかわかんねーし、それに夜仕事なんだろ?みずき」 また断るアキラ。 「…仕事、23時には終わるから…それからなら迎えにいける。着いたらメールするから…」 「…あのな、すぐにすぐ出ていけるとはかぎらないんだから…来るなよ、心配しなくても、最悪、朝までには帰るよ…」 「…朝」 アキラがBOUSバイトに行く時… みずきは昼仕事でいないことがほとんどで… しかも、アキラは、当日BOUSバイトに行くことさえ言わずに行ってしまうので、仕事から帰ったらアキラがいなくてメモだけ置いてある…なんてことが何度かあって、ヒヤヒヤさせられるのだ。 そして、そのほとんどが朝帰り… アキラにBOUSの撮影をさせるだけでも嫌なみずき。 BOUSから朝帰りなんかされたら… 撮影以外にも誰か他の奴と…と勘ぐってひとりで意気消沈して眠れなくなる。 アキラを迎えに行って、連れて帰ればそんな心配はないから… アキラは、ひとつ大きく息をついてみずきにいう。 「あのなぁ、お前だってBOUSで働いてたんだから分かるだろ、割り切ってたんじゃないのか?」 アキラの言葉に苦しげに頷く。 「なら、BOUSのことには首を突っ込むなよ…わかった?」 アキラは言い聞かすように伝えるが… 「しかし…」 また難色を示す。 そんな心配性のみずきを見て… やれやれと息を付いて… 「…それとも、もう一度BOUSの門をくぐって終撮の相手役してくれるのか?」 雰囲気を変えるように、少しからかい口調で笑って伝える。 「終撮?」 みずきは驚いて聞き返す。

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