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第4話

〔終撮〕とは、終了撮影のこと… この撮影は、BOUSとの関係を断ち切る撮影… 終撮が終わればBOUSを卒業することになる。 契約では普通は20才の誕生日になのだが… 「そう、今日の撮影でシリーズものが完結するから、この機を逃すわけにはいかない、BOUSを辞めるためにはな。今日、もう一度トップに伝えてみるつもりだから…」 アキラは薄く笑ってみずきに伝える。 「…アキラ、BOUS…辞めれるのか?」 みずきは、本当にそうなれば嬉しいことなのだけれど… 簡単に途中辞めなど出来ないのではと、不安にもなる。 「…少しずつトップに交渉してる。なかなか納得してくれないけど、病気の事を理由に辞めるしかないから…」 アキラはみずきを安心させるように、静かに説明する。 「だから…もう少し我慢しな、みずき」 アキラは耳元で囁きながら…みずきの耳たぶへキスをする。 「アキラ…」 頷きながら… みずきはアキラのこめかみ辺りにキスを返す。 「じゃ、行ってくるから…家で帰りを待ってて…」 トントンとみずきの胸のあたりに触れてそう伝える。 「あぁ…待ってるから、出来るだけ早く帰ってくれ…」 また頷いて…アキラから離れるみずき。 「わかった…」 アキラはみずきに微笑んで、家を出ていく…。 BOUSに着いて、アキラは…性優サクヤへと変わる。 「はい!OK。撮影終了お疲れ様」 撮影ルーム内に今日の監督の声が響いたのが夜10時半… 「ありがとうございました…」 ため息をつきつつ挨拶をするアキラ。 今日の撮影も強姦系の話。 かなりお疲れぎみのアキラだけど、問題はこれから… (シャワー浴びにいかなきゃ…) そう思い、バスローブを羽織って、気怠い身体を押して動き出す。 「おっと、大丈夫っすかー?サクヤセンパイ」 立ち上がりぎわに少しふらついたアキラを片腕で支えて声をかけてくるのは… 今日の相手役もちろん攻、2歳年下のカズキだ。

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