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《カウントダウン》
「みずきー!お先~」
「いい湯だったぞ~みずきも早く入れよ…」
ルードとヨシがスッキリした様子で戻ってくる。
「…し、眠ってるから…」
みずきは人差し指を口に当て2人に伝える。
「あん?」
ヨシがみずきの傍までやってきて見ると…ソファに座っているみずきの膝を借りて、今度はアキラが身体を丸めて眠っていた。
「アキラ、寝ちゃったんだー、カウントダウン見ないのかな?」
ルードが首を傾げて言っている。
「酒を飲んでからずっと眠そうだったから…一時間くらい休ませることにしたんだ。日付が変わる頃に起こしてくれと言われてるから一緒に数えたらいい…」
小声でルードに答えるみずき。
「うん、わかった!みずき、風呂どうする?」
頷いて、ついでに聞く…
「俺は日付が変わってから入るよ…その方が後片付けもゆっくりできるし…」
「そっか、まぁ…その状態だとどっちにしても動けないからね」
アキラが膝で寝ているので動けないみずきをみてルードが言う。
「あぁ」
頷くみずき。
「よっと。コイツも黙ってりゃ可愛いのにナァ…」
ヨシはみずきの近く、アキラが寝ているソファの下へ腰をおろしアキラの顔を見ながら言う。
トゲのある言い方だが、一応褒めているようだ。
「ヨシってなんでアキラのことイジメてたんだ?」
「ん?そーだなぁ…金持ちだから、あと…態度がむかついたから!」
金持ちで親に殴られたこともないような恵まれた環境に嫉妬もして…態度も気にくわなかった。
「それだけ?」
「そう言うけどなぁコイツは!」
ルードに呆れられてついムキになり声が大きくなる。
「ヨシ、もう少し静かに話せ…」
アキラが起きると…みずきに怒られてしまう。
「はいはい…。ったく、素直にゴメンナサイくらい言えば可愛げあるのに、つっかかってきやがって…」
ムスっとしながら言うヨシ。
「ヨシはあんまり好かれてないからなー、でもアキラだってゴメンナサイくらい言うよ!な、みずき」
ルードはみずきに聞くように言う。
「そうだな…」
「はぁ?口が裂けても言いそうにないぜ?」
絶対いわねー、という感じで聞く。
「言うって、だってみずきに叱られてた時、言ってたもん。ごめんなさいって、可愛かったよー、ちょっと妬けちゃうくらい」
ルードは…ちょっぴり僻みながら言う。
「ははっコイツも叱られたんだ、いいきみ!…つーか、妬くってルードもアキラがいいのかぁ?」
ヨシは軽く笑ったあと、ゲーとなりながら聞く。
「言わなかった?俺、アキラ好きだよ、振られたケド…」
ポツリと言うルード。
みずきは黙って聞いている。
「はー、未だにさっぱりわからんなぁ、コイツのよさが…」
首を捻りながら、眠っているアキラを見つめいうヨシ。
アキラは酒も入っている為か、やや紅い顔だ…
「ヨシももっとアキラのこと知ったら好きになるよ…」
にこっと笑いながら言う。
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