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第48話

「べつにー、今のまんまでいいって、好きになってもみずきのなら手ェ出しようがねーし、な?」 みずきに尋ねるようにヨシはいう。 「あぁ、これだけは譲れない…」 みずきは頷いてアキラの栗色の髪に触れてハッキリと言う。 「そーそー。みずきコワイから、俺も身をひいた…」 ルードがボソっと言う。 「ルード…」 「冗談、みずきも少し恐かったけど、やっぱ自分がガキだなって感じて…みずきの真剣な気持ちに本当に適わないって思ったから…もう少し大人になってから…」 「……」 言い掛けて止めるように間をあけるルード。 「そ、ゆう訳だから、油断はなしな!みずきっ」 まだ諦めたわけじゃないぞと笑う。 「あぁ、ルード。油断はしない…」 ちゃんと真剣に答えるみずき。 「けっ!おもしろくねーっ、腹へったし~」 アキラばかり人気で面白くないとゴチてため息をつくヨシ。 「そうだ、お茶漬け作ってあげるよ、俺特製だからウマイぞ~」 ヨシの言葉を聞いて素早く立ち上がるルード。 「お!マジ?食う食うっ」 メチャクチャ嬉しそうに催促するヨシ。 「おっけー!みずきのも作ってくるから食べてな」 みずきにもちゃんと作るルード。 しばらくしてキッチンからどんぶりをふたつ持ってやってくる。 ヨシはさっそく受け取り、いただきまーす!と食べ始める。 「うめー!つーかお茶漬け食べたの久しぶりだぜ」 ルード特製鮭茶漬けを勢い良く口に運びながらいう。 「そー?ヨシくらい喜んでくれると作りがいがあるよなー。みずきも早く食わないと冷めるぜ?」 「あぁ、食べたいのは山々だが…」 アキラが膝の上で眠ってるので、真上で食べていて、もしもこぼしでもしたら、アキラの顔を火傷させてしまう。 考えて、食べられないでいるみずき。 「アキラなら起こせばいいじゃん。0時まで15分くらいだし!」 「…ルード」 ルードはみずきの言葉を待たずにアキラの元に来て… 「アーキラ!起きろよ~!つまんないだろー」 軽く肩を揺すって声をかける。 「おきろーヒネクレやろー」 ヨシも便乗してアキラを起こしはじめる。 「ルード、ヨシ…」 気持ち良さそうに眠るアキラを、そんな強制的に起こさなくても…と止めるように呼ぶみずき。 「甘めーな、みずきは…そんなんじゃ年明けても起こせないぜ!」 ヨシは調子に乗って、なかなか起きないアキラの鼻先をきゅっとつまむ… 「…ん」 アキラは嫌そうに眉間にしわを寄せる。 「ヨシ!」 みずきが、やりすぎだと叱るが… 「しっ、見ろよ…」 ヨシはアキラの形いい可愛い鼻を軽くつまんだまま… それでも起きないアキラを観察する。 「息。してないね…アキラ」 ルードがぽそっと言う。

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