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《バレンタイン》

2月の半ば、またまだ冬真っ只中のよく晴れた日… 世の中の多くの男女がそわそわと胸を高鳴らすイベントがある日… 2月14日バレンタインだ。 以前アキラはバレンタインの周辺は学校を休むと言っていたのでみずきも仕事を一日休みにして一緒に過ごす予定… 朝食後、2人でテレビを見ているとバレンタイン特集や告白特集などをしている。 「バレンタインか、お前告白とかされたことある?」 テレビを見ながら聞いてくるアキラ。 「あぁ、まぁ…」 「なんで付き合わなかったんだ?」 可愛らしく首を傾げながら聞く… そんな様子にドキドキしながらも真面目に答えるみずき。 「それは…、今はアキラが好きだから断っているし、小学生の頃は…付き合うとか、好きになることがよくわからなかったから…とりあえず断っていた、あの頃は、そんな余裕もなかったし…」 とにかく父親の存在がストレスになっていたし、BOUSの撮影もあったから… 「そうなんだ」 「アキラを好きになって、人を好きになることがどんなことか知ったから…」 そばにいるだけでドキドキする心… 想いを伝えられない苦しさや…失恋の辛さ… 自分のことを好きになって欲しい… 嫌われたくない…そう想う心… 自分より大切にしたいと思う存在… 守りたいと思う存在… すべてアキラを好きになって知った感情だから… 「じゃぁみずきの初恋はオレなんだ」 「あぁ」 「でも、初恋は実らないっていうよな」 「アキラ…」 「そのうち、お前は飽きるよ」 不意にそんなことを言う。 「なぜ?飽きたりしない絶対に」 すぐアキラの言葉を否定するが… 「ま、今はな」 軽く返すアキラ。 「アキラ…」 「んー今日、せっかくだから近場でも買い物行く?」 そして伸びをしながら話を変える。 「あぁ、アキラ…俺はこの先もずっとアキラを一番に好きでいるから、信じてほしい…」 みずきはやはりうやむやにしたくなくて、アキラの頬に触れて願うように伝える。 「ふ、分かったって…よし、散歩がてら歩いていこうかな」 小さく笑って、今日の予定の話をする。 「アキラ…」 軽くかわされてしまうみずき。 複雑な気持ちになるが、これ以上なにも言えなくなる。

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