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自覚させてやる①
「空、ちょっと来てくれ」
「なに?」
部屋で漫画を読んでいると、ひよしさんに呼ばれたので、
めんどくさかったけどリビングの方へ移動した。
僕は、結城空。高校2年生。
訳あって、ひよしさんという32歳の人と一緒に暮らしている。
恋人同士、というと何か変な感じだし、違うような違わないようなって感じだけど、
まぁそういう関係だ。
ちなみに、ひよしさんは、僕の学校の体育の先生。
最初は先生って呼んでいたし、敬語も使っていたけど、
一緒に住むようになってからは、さん付けのタメ語でやらせてもらっている。
リビングに行くと、何やら不機嫌そうな顔のひよしさんが立っていた。
「空、これ見ろ」
いきなり見せてきたスマホの画面に写っていたのは、体育前で着替えをしている僕だった。
「何これ?いつ撮ったの?」
「俺が撮ったんじゃねーよ。クラスの誰かがお前が着替えてるとこ盗撮したんだよ」
「盗撮…?、それをなんでひよしさんが持ってるの?」
「この写真が生徒の間で回ってたのを俺が見つけたんだ。」
「こんな写メ、まわしてどうするの?」
「お前、バカか」
いきなり悪態をつかれた。
ひとつ言うのを忘れていたけど、ひよしさんは口が悪い。
いい大人なのに。
「お前なぁ…よく見てみろよ。お前が気だるそうにシャツ脱いでるだろ。お前の白い肌とピンク色の乳首がしっかり写ってんじゃねーか。これを見てオカズにしてる奴なんていっぱいいるぜ。お前、何度も言っているだろ。少しは自覚を持て。お前は可愛いんだ。すげー可愛い顔してんだよ。周りの奴等もやらしー目でお前の事見てんだよ。少しは周りに注意を払えよ」
まくし立てるように言ってくるひよしさんにムッとしてしまい、つい言ってしまった。
「そんな変態、ひよしさんだけでしょ」
言ってから「あ、やば」って思ったけど遅かった。
案の定、僕の言葉にカチンと来たらしく、ひよしさんは冷たく言った。
「服、脱げ」
「な、なんで?僕、悪くないのに」
「反抗するならお仕置きするぞ」
僕は"お仕置き"というキーワードにビクッとしてしまった。
もうひとつ言うのを忘れていたけど、この人は「超」が付く変態だ。
この変態野郎は、お仕置きと称して、僕にひたすらエッチなことをしてくる。
いい大人なのに。しかも教師なのに。
今までも、事あるごとに散々お仕置きをされた。それをされるくらいなら素直に従ったほうがいい。
「…わかったよ」
「よし。前と比べてだいぶ聞き分けが良くなったな。」
イラッとして睨んだが、「ん?なに?」みたいな顔をしていた。
もうやだ。
僕、ほんとに何もしてないのに。
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