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くすぐり罰ゲーム③
おへそを擽られて、息も整わないうちに、筆は次の場所に向かおうとしていた。
僕は怖くて固く目を閉じていたが、
「あ、そうそう」
と言ってひよしさんは急に動きを止めた。
そっと目を開けると、なにやらまた怪しいものを取り出してきた。
それは、小さめの目覚まし時計くらいの大きさの機器で、2つ取り出していたが、何をするものか全くわからない。
「そ、それなに…?」
「ん?気になる?」
「気になるとかじゃなくて、怖いから聞いてるの!」
「はは、そうかそうか。空からしたら、次何されるのか不安と期待でいっぱいだもんな」
「不安しかないし」
そんな僕をよそに、ひよしさんは楽しそうに、羽を取り出して、その機器のアームに取り付けた。
そしてスイッチを入れると、ブーンと小さな音を立てて、アームに取り付けられた羽を上下にシャカシャカと素早く動かし始めた。
ものっすごく嫌な予感がした。
「俺の手だけじゃ足りないからな。この自動くすぐりマシーンを投入させてもらうぜ」
「こんなのどこで売ってるの…」
もう僕はあきれてしまった。
そうこうしているうちに、残りの機器にも羽を装着させて僕に近付いてきた。
「やっ、来ないで…っ」
怖い。
こんなもので擽られたりしたらひととまりもない。
そんな僕の気持ちを無視し、僕の無防備な腋の下に羽の先をセットし、スイッチを入れた。
「ちょっ、やっ、アハッ、やぁぁ、待って、ひゃあぁ、やぁん、やめてぇっ」
羽は勢いよく、細かい動きで、コショコショコショっと動く。
敏感な腋の舌を擽られ、息が出来ない。
「こっちの腋も擽ってやるよ」
「だめぇっっ、やぁぁ、ひゃァ、はぁっ、あぁぁんっ」
こんなのやだ。
くすぐったすぎて、おかしくなってしまう。
身体を捩らせて必死で耐えていると、ひよしさんは置いていた筆を再び手に持った。
「じゃあ次はここだな」
その筆は、僕の胸の方に向かって行った。
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