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(日常小話)お尻もみもみ
Side かなてぃ
体育の時間が終わり、みんなで雑談していたとき、クラスメイトの一人が言った。
「前から思ってたんだけど、結城のケツって、柔らかそうだよな」
ブホッ
こいついきなり何言い出すんだ!
「え、そ、そうかな…」
結城はちょっと動揺した感じで答えた。
「確かに、俺もそれ思ってた!なんか服の上からぷりっとしてる感じがわかるんだよな」
「そうそう、なんつーか、エロいよな」
「結城って顔も女っぽいし、痴漢とかに合ってたりすんじゃね?」
なんか周りもノッて来て、口々に勝手なことを言い出す。
結城はかぁっと顔を赤くして、下を向いてしまった。
見てられなくて、俺は間に入って言う。
「おまえら、やめろよ!結城が嫌がってんだろ!」
「うお、なんだよ、奏斗。急にキレんなよ」
「るせーな!別にキレてねーよ!」
まぁキレる寸前だけどな。
「かなてぃ、そんな怒らなくても大丈夫だよ」
結城が横から俺を制してニコっとする。
雰囲気が悪くならないように空気を読んだのだと思う。
やっぱ俺、結城のこういうとこ好きだわ。
「結城が大丈夫っつってるから、ちょっと触らせてもらおうかな」
言い出しっぺの奴がいつの間にか結城の背後に周り、あろう事か、結城の、お、お、お尻を!揉みやがった!
「やっ、ちょ、やめて…ょ」
「やば!めっちゃ柔らかい!!」
そいつは調子に乗って結城のお尻を揉みしだきやがった。
「やぁん、ぁ、も、揉まないで…っ」
「俺も触りてぇ!」
「つーか、結城、感じてね?」
「やぁん…って、めちゃくちゃエロ可愛いんですけど!」
そこにいる全員が鼻息を荒くし、結城に近付こうとした。
「てめーら、結城に触んじゃねぇー!!!」
俺が叫んだ。
結城も含め、全員が俺の方を見た。
というか、何故かみんな俺の顔を見て固まってる。
「か、かなてぃ、鼻血出てる!」
結城が指を指して言った。
え、まじ?って思って、手を鼻にあてると、豪快に鼻血ブーしてた。
だって仕方ないだろ!
結城があんな可愛い声で「やぁん、揉まないで…っ」とか言ってんだからよ!
そりゃ興奮するよ!
鼻血だって出るよ!
「お前ら、何してんだ?遊んでねーで、さっさと教室戻れ!」
後ろからすごい剣幕のひよし先生が俺らを怒鳴った。
みんなは、やべー、逃げろーみたいな感じで足早に撤収して言った。
俺も鼻血を吹きながら急いで教室に戻ろうとした。
ふと結城の方を見ると、ひよし先生に捕まって、何やら「お前、わかってんな?」的なことを言われていたようだった。
とりあえず、俺は、このあとの授業は全て上の空だった。
はぁ。。。
カッコつけてないで、俺も揉んどきゃよかったー!(心の声)
END
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