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第6話 最高の彼氏をゲットしました

 家の施錠はバッチリ! 一応俺の部屋にも鍵をかけた。途中で入られたらアウトだ。  そうして俺は今、和樹に深々とキスをされている。一発でKOされそうな、濃くて甘くてクラクラするようなやつだ。 「ふぁ…はぁ……」  舌を絡められて、グチャグチャになる。ダメこれ、蕩ける。もう涙目だ。 「可愛い顔してると、俺も困るんだけど」 「困る?」 「加減できなくなる」  うおぉ! 何そのBLマンガみたいなセリフ! 加減すんの? むしろいらん!  俺はそのままベッドに仰向けにされた。そして、イケメンがエロい顔して見下ろしているのを呆然と見ている。色気ダダ漏れだ。 「あっ、ごめん亮二。一つ確認」 「なに?」 「お前、俺の事好きだよな?」 「……へ?」  えっと……今更なんの確認? ってか、あれ? 俺も…どうだっけ?  考え込んでいたら、和樹が凹んだ顔をする。いや、うん、分かってる。そこって大事だよな。なにせこれからナニいたそうとしてるんだから。別に既成事実ありきとか、その場のノリと勢いでも俺はいいんだけど。 「あの、多分」 「多分?」 「まぁ、一年以上おかずにしてたくらいだし。お前の妄想で抜けなかった事、ないし」  それって、形はどうあれ好きなんだよ、絶対。これでも好きじゃない奴に犯される妄想して抜くとか、そんなハードなプレイまではまだ到達してない……よな? 「お前の好きって、必ず快楽ありきなんだな」  呆れたように言われるけれど、大事だぞそこ。 「そういう和樹はどうなんだよ」 「当然好きに決まってるだろ」 「……えぇ」  即答ですよこの人。なにが良くて俺だよ。ちくしょう、嬉しいな。 「それって、本気?」 「本気」 「…男だよ?」 「知ってるよ流石に」 「…いつから?」 「自覚したのは高校生。でも、多分もっと前から」 「なぬ!」  いやいや、むしろ距離出来たでしょあんた! 俺の事突然苗字で呼び始めたでしょ! 「あのさ、じゃあなんで苗字で呼んだり、遊び断ったりしたわけ? 俺、結構傷ついた」  恨み言を吐き出したら、和樹は顔を赤くしてそっぽを向いた。あの、答えください。 「だって、まずいなと思って」 「まずい?」 「このままの距離だと俺、お前を滅茶苦茶にするだろうなって、思って。そうしたら、嫌われるだろ?」  そんな事を可愛いしょんぼり顔で言われる。言ってる事と表情が一致してないよお兄さん。そして滅茶苦茶ってなに。そこ掘り下げたい。  和樹は俺の肩に顔を埋めた。髪とか吐息とかくすぐったい。そして、ゾワゾワする。 「もしかしてさ、和樹も俺をおかずにしてた?」 「!」  してたんだろうな。だって、ビクンってした。  肩にある頭を撫でてみる。案外硬い髪なんだな、こいつ。 「お互い様なわけだ」 「みたいだ」 「うん、受けて立つ」 「男らしいね、亮二」 「変態なめんな!」 「それ、かっこよくないからな」  言って、言われて、笑った。  首筋に唇が当たって、音を立てて吸われたら余裕がなくなる。俺、こいつで散々妄想してたから体が勝手に反応してる。ヒクンと震えてプルプルしてたら、笑われた。 「そんなに気持ちいい?」 「んっ」 「そういえば、昨日は乳首弄られて気持ち良さそうにしてたっけ」 「それは! ふぁ!」  シャツの上から胸を擦られて、俺は喘いだ。  昨日の痴漢とは全然違う。指の腹でグリグリされたら、淫乱乳首はすぐに起立して尖ってくる。  シャツをたくし上げられ、裾から手を入れられて直接触られたら、それだけでブルブルした。 「あぁ、ダメ! やっ、強いぃ」  指が尖った部分を摘まんですり潰すみたいにグニグニして、それだけで腰の辺りが震える。やばい、これだけで俺変になる。  たくし上げられたシャツが鎖骨のあたりで団子になったまま、和樹は俺の乳首に唇を寄せてくる。濡れた舌が最初から遠慮なく舐めて、吸って、俺は仰け反った。 「はあぁ!」 「淫乱。尖って硬くなって赤くなって、女の子みたいだよ、亮二」 「そんなぁ、だってぇ…っ」 「変態なんだっけ。こういうの、妄想してた? 俺にここ舐められて、喘ぐの」  してた! 今から考えると妄想なんてカスみたいだったけど、してたよぉ!  和樹は俺の乳首が乳輪ごとぷっくり腫れるくらい、指と唇で弄くり倒した。そしてその間に、俺のズボンの前を強く擦ってきた。おう、形が分かるくらい膨らませている。ちょっと擦られただけで先走りが溢れそうだ。 「はぁぁ、やぁ…もぉ、お願い……」 「なにが?」 「分かってるだろ! 触って、もっ、おかしいよぉ!」  腹の奥がジクジク疼く。前だってもう窮屈だ。  和樹は俺の服を簡単にひんむいて、ついでに自分も脱いで俺の体をマジマジと見る。そんなに見られると、なんか……いたたまれない。だって目の前のこいつの体なに? 俺と違い過ぎて同じ人間かと思うよ。逆三角形で、いい感じに腹筋締まってて、太股とかも筋肉ついて。  そんな和樹は俺の体をペタペタふにふに触っている。凄く恥ずかしい、それ。劣等感刺激されまくりなんですけど。 「柔らか」 「悪かったな!」 「いいよ、気持ちいい」  腹とか、胸とか、手の平で撫でられて俺はモゾモゾする。硬い手が微妙に刺激する。  ってか、柔らかいって言ってもごく普通の高校生だと思うよ、うん。お前がいい体しすぎなんだからな! 「そういえば、昨日はこっちも具合良さそうだったよな」  そう言いながら俺の足を片方肩に担ぐと、躊躇いなく後ろの孔に指で触れた。  俺は驚いて腰が逃げたけれど、担がれてるから逃げ切れない。孔の周囲をクルクル指で刺激されて、モゾモゾと腰を動かしている。 「なんか柔らかそう。どうして?」 「それは…」 「もしかして、ここも自分で弄ったりしてた?」 「!」  バレた!  耳まで熱くなっているのに、顔を覗き込まれたらバレバレだ。  和樹はニヤリと笑って俺の耳元に「ローションとか、ゴムとかどこ?」って当然のように聞いてくる。あぁ、ばれますよね。俺ばっちりリアクションしてるよね。 「そこの、引き出しの中」  躊躇い無く開けたよこの人。そしてそこにあったオリーブオイルとゴム出して、オイルは自分の指に纏わせてちょっと孔の周りをクルクルして、つぷっと中に滑りこませた。 「ふぅぅ」  自分のとは違う体温の指が入り込んで、俺は鼻にかかった息を吐いた。  まだ、第一関節くらい? 本当に入口。  でも和樹はそこから更に指を潜り込ませて、根本まであっという間に入れてしまった。 「熱いんだね」 「あぁ、やぁ……」  妄想と違って、他人に体の中を探られるってゾクゾクする。動きも予想出来ないし、入り込んだ和樹の指、熱く感じる。その指が捻るように出入するから、声を止められない。 「自分でここ広げながら、どんな妄想してたの?」 「聞くなよぉ」 「その妄想の相手って、俺でいいんだよな?」 「他なんていないってば!」  自分のベッドでするときのお相手は全部お前だよ! そこグチャグチャに解されて繋がってガンガン中犯される妄想してたよ! 「指、もう一本簡単に飲み込みそう」 「ひぁ!」  言うのと行動が一緒。和樹の指がもう一本俺の孔に入り込んでくる。最初はいたいし苦しいけれど、わりと簡単になれた。  グリグリ捻りながら入口を広げられて、そうしたらもう平気。中で指がバラバラ動いて内側を叩いている。それだけで、俺はブルブル震えて仰け反って喘いだ。 「あ、ここが前立腺? 硬くなってる」 「しらな! んあぁ!」  コリコリっとした部分を押し込まれて、ガクガク震える。ってか、なんでそんなに詳しいの! 「だいぶ慣れたね。もう一本我慢して」 「ふぇ! そんなぁ」 「大丈夫、息吐いて」  なにをもって大丈夫なわけ!  って思ってる間に指三本、オイルまみれで入ってくる。流石に痛いけれど息を吐いて耐えているとなんとか飲み込んだ。中の違和感半端ないし、入口一杯になってるけど、若いって凄い。 「あぁ、まっ…開かないでぇ」  指を広げている感じがする。かと思えば気持ちイイ部分を叩かれる。俺もう、腰やら中やらビクンビクンして止められないし喘ぎまくってる。気持ちいいのに、何故かイケない。 「もう少し待って」  和樹の声に熱が籠もって、なんか切ない。  見たら和樹の前も硬く張り詰めている。逞しいよな、やっぱり。そしていつゴムつけたんだよ。早業かよ。 「なん、そんな準備、いいのぉ?」 「当然だろ? 俺はお前をおかずに抜いてたんだぞ。それがリアルになりそうなら、勉強くらいするだろ」 「勉強、したの?」 「した。昨日ほとんど寝てない」  マジかよぉ  オイル追加で、指がずちゅずちゅグチャグチャと解してきて訳が分からないくらい興奮する。十分に柔らかくなってから、和樹は指を抜いて熱くなったものを押し当てた。  ヒクンと反応はしたけれど、気持ち良くなりすぎて力入んない。 「力抜いてろよ」  ググッと力が加わって、それでも簡単じゃない。だよね、指とは大きさ違いすぎるもんね。  足は完全に開かれて、オイル足されて、力が加わった。そうしたらゆっくりと、俺の後ろは口を開ける。ちょっと入り込んだら、和樹は一気に押し入ってきた。 「ひああぁぁ!」 「くっ!」  切れるって! 裂けるって! 血が出るって!  でも押し入ってきたものを飲み込めた。太いカリが埋まっているのが分かる。ブルブル震えて、痛みからどうにか逃れようと意識を他に向ける努力をしていると、不意に乳首を刺激された。  子猫みたいにぴちゃぴちゃ舐められるだけでちょっとヤバい。中、熱い。乳首気持ちいぃ。何これ…… 「はぁ、和樹ぃ」 「んっ、少し解れてきたね」  少しずつ腰を入れられて、繋がっていることを思い出す。でも胸への刺激や甘々なキスとかに誤魔化される。受け入れて、そのうちに俺の尻ぺたに和樹の下生えが触れた。 「あぁ……」  俺、こいつの全部飲み込めたんだ……  中に熱いものを感じる。俺はそれをキュウキュウ締め付けている。和樹が色っぽい顔で呻く。気持ち良さそうにしているのを見ると、なんか満たされた。 「動いていい? すごく気持ちいい」 「んっ、いぃ」  ズルズル抜けて行くと、内臓引っ張られるみたいでゾクゾクする。それが押し入ってくると今度はゴリゴリ押されて突き抜けるみたいに気持ちいい。  喘ぎ……ってよりは嬌声? 両足抱え上げられて揺さぶられて、女の子みたいな声で喘ぎまくってよがりまくってる。  中、凄い。遠慮無く抉られて朦朧とする。 「んはぁ! 和樹イキたぃ!」  涙と涎でグチャグチャになってる。前、こんなに漏らしてるのに俺イケない。妄想だととっくにイケてるのに、気持ち良くて腰ガクガクで重怠くてたまらないのに、イケない。  和樹は汗を浮かべて気持ち良さそうに眉根を寄せて、低く呻いて頷いた。そして俺の昂ぶりを握り締めて扱き始めた。 「あぁぁ!」  あっという間。焼けるような刺激が突き抜けて、ビクンビクンと強く痙攣しながら俺は胸まで届くくらい激しくイッた。 「亮二っ!」  きゅぅぅぅぅ、と締まった俺の中を乱暴に突き崩して、和樹も動きを止めた。中でビクンビクンと震えているのが分かる。残念ながらゴム使ってるから、吐き出される熱は感じないけれど、吐き出している昂ぶりの熱は感じている。脈打つ度に逞しいものが俺の中で弾けるのを感じている。  あぁ、俺こいつとやっちまった……  涙目で思って、なんかこの後どうしようとか、色々ぼんやり考えていた。 「うわ! 凄い出たな!」  抜け出たゴムを見て和樹が驚いている。それを見た俺も内心「うわぁ」と思う。どんだけため込んでたんだよって感じだ。いや、それは俺もか。  甲斐甲斐しく俺の体をティッシュとウェッティな物で拭いた和樹は、当然のように俺の横に寝転がる。シングルベッドに高校男子二人はかなり狭い。 「なんか……童貞捨てる前に違うもの捨てたな、俺」  思わず呟いたら、隣で笑われた。笑い事じゃないっての。 「いいじゃん、大事にするって」 「……え?」 「え?」  俺、マジマジと和樹を見る。和樹も俺をマジマジと見た。 「これ一回きりじゃないの?」 「え? 付き合うんだろ?」 「え! いいの!」 「あたりまえだよ!」  和樹がなんか焦って俺に言っている。俺は俺で「そんな話しでいいんだ」と思ったけれど……互いにおかずにしていたくらいなんだから、いいのか。  一度きりじゃないラブエッチでいいんだ。あぁ、良かった。  和樹はなんか怒ってる。でも俺は笑ってる。 「おれ、恋人でいいんだ。初彼?」 「そうだね」 「よろしく」 「こちらこそ」 「俺、変態だけどいい?」 「他にどんな妄想してたんだ?」 「……青姦とか、公衆トイレとか…玩具……」 「あぁ、ディープだな」  ちょっとドキドキする。こんなの聞いて「やっぱ付き合うのなし」とか言われたらちょっとショックだ。  でも流石和樹、そこはニッと笑った。 「まぁ、おいおい付き合うわ」 「付き合うんだ!」 「いいよ、亮二の妄想に付き合う。でも、ゆっくりな」 「和樹!」  こんなド変態の俺の彼氏に名乗りを上げたこいつってば、本当にマジでいい奴!  俺の変態ライフ、ここに極まれり。ってか?

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