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03
「おっ、おおおめっおめでとう!!」
多分律も想像していなかったであろう怒涛の展開に、再び室内が静かになる。静まり返る空間に耐えられず、俺が慌てて祝福の言葉を口にして、ついでに力一杯両手で拍手もする。
「……あ、ありがと、智ちゃん」
それに律がなんとか返事を返してきたが、顔は未だ信じられない…といった様子だ。
「今日からよろしく、律」
織田は綺麗な顔に似合う極上の笑顔で、初めて口から音として出たであろう律の名を呼んだ。
やらかした本人が言うのもなんだし、急展開過ぎてちょっとついていけないんだけどとりあえず俺、まさかの恋のキューピッドっていう解釈でオッケー?
呑気なことを考えつつホッと胸を撫で下ろした。
高校に入学してから最大の焦りだと言っても過言ではないほど超焦ったが、2人の様子に早まっていた心臓が落ち着いていく。
これで振られでもしてたら…考えるだけでも恐ろしい。
今回はどうなんだろ。
長く、続くのかな。
今まで律が誰かと付き合って3ヶ月以上長くもったところは見たことがない。
でも今回見た目だけなら神の領域をいく織田だ。
今までの奴らも充分可愛い容姿をしていたが、織田は秀でて別格。容姿重視で可愛い子好きの律がそう易々と手離す気はしない気もする。
…まあ、先のことを色々考えたって仕方がない。分かってる。俺が思うことはただ一つだ。
どうなろうと律が幸せならそれでいい。
俺は未だ実感が湧かないのか不思議な顔をしている律を見ながらそんなことを考えていた。
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