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昨日の放課後、織田に校内案内をしていたのを見た人達に何を勘違いされたのか、デキてると誤解が生まれ周りから敵対心を剥き出しにされている。 だから距離が近いと言ったのに! 昨日よりもヒートアップしている暴言の数々に俺もノックダウン寸前だ。あんなんとか地味に傷付く。…俺は美人の横で息をしてるだけで罪なのか。 「………ハア」 「辛気臭くなるから溜息つくな。鬱陶しい」 でも知ってるか?お前ら。 こいつがいいのは顔だけで、とんでもなく性格もキツイし口も悪いし悪魔みたいな奴なんだぞ?俺限定でな! 「悪い。でもお前いいの…?俺とデキてることになってるぞ…」 「なってるな。しかもアンタが俺に突っ込むって?無様過ぎて笑える」 「おい、やめろ…ただでさえ、今メンタル弱ってんだ…追い討ちをかけてくるじゃねえよ…」 そんな顔で突っ込むとか言うな!なんてツッコミを入れる元気すら出ない。 ゲッソリしている俺とは正反対に織田はなんだかご機嫌だ。俺とのことを噂されてご立腹かと思ったのに、何がそんなに楽しいのか。 「アンタすごい言われようだな。やっぱ俺の持論は正しい」 「………」 それはあれか。見た目8割のやつか。 隣で口笛でも吹き出しそうなくらい機嫌の良い織田に苛立ちを感じた。 こいつはどうやら、俺が悪口言われまくってるのが楽しいらしい。ほんとに性根が腐ってる。 「お前な…仮にも自分の恋人の友達が悪口言われてんだから少しは心配したらどうなんだよ」 「は?恋人の友達とかただの他人だろ。何の関係もないし」 「…くっ…そりゃ、そうなんだけどさあ!」 冷たい奴め。 「とりあえず、もう少し離れて歩いてくんねえかな?」 「ほんとアンタって自意識過剰だな。面倒臭ぇ」 「だって!俺が距離あけても詰めてくるじゃん!?お前の距離感がどう考えてもおかしい!物理的な距離が測れないやつかお前は!」 「俺は誰と歩いててもこの距離だっつーの!つか、うぜえから騒ぐな」 「~~~腹立つ!!」 周りから、なんだ?痴話喧嘩か?いいぞ、そのまま別れろと聞こえてくる。ほんとに付き合ってんだったら別れてえよ!こんな可愛くないの!! 「んも~…律の耳に入ったらどうすんだよ……」 よもや2人が付き合いだした次の日から、こんな噂が立つとは思わなかった。 律のことだからきっと信じないとは思うが、周りであんなこと言われたら気分良くはないはず。 実際付き合ってるのは律と織田なのだから、時間が経てば誤解だったと周りも気付くだろうが、それまでが面倒臭そうで俺はまた溜息を吐いてしまう。 案の定、隣を歩く織田にジロリと睨まれた。 溜息くらい吐かせてくれよ。 元はと言えばお前が紛らわしい距離で歩くからなんだぞ…? 心の中で責任転嫁をしてみたものの、噂が立ってしまったものはもうどうしようもない。 早く誤解が解けますように…と願うしかなかった。

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