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第4話

アキの口から僕の名前が出てきて、泣きそうになった。 けど、自分の口からでるのは憎まれ口。 「知るか……っ」 「ねえ。……俺の渇き、癒してよ」 アキの手が勝手に、僕の顔から眼鏡を外す。 ぼんやりとしか見えないアキの顔。 歪んでいるが、泣いてるのか、笑っているのか。 それすら、わからない。 ……だから僕は。 「……僕のこと抱いてアキの渇きが癒えたら、もう女のところに行かない?」 「行かない。約束する」 ゆっくりと髪を撫でると、額に口づけを落とされた。 「なら、いい。 ……それに僕は、アキの帰りを待ってた、から」 近づいてきたアキの顔は、嬉しそうな笑顔だった。 それから僕たちは――。 【終】 

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