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Ⅲ 罪と罰②
この国家元首は、なにを血迷ってるんだーッ!
事もあろうに。
国家のトップが……
ちんちんだとー!!
ちんちんとは、後ろ脚二本で立つ犬の芸である。
しかし今の俺は……
手首を頭上で縛られて吊るされている状態だ。
ちんちんなんてできない。
つか!
俺の格好ッ
全裸で首輪つけて、頭に犬耳、亀甲縛り!
………………変態だ。
「イヤァァァーっ!」
「何が嫌なんだい?こんなに可愛いのに、奏クン♪」
奏クン……って。
呼び方まで変わってる……
「奏クン、ちんちんだ」
だから、ちんちんはできないってのっ。
「下ネタやめてください」
このエロジジィ!
「………ジジィ?」
ピクリと眉が跳ねた。
しまったー!
心読まれた!
エロ総理にすれば良かった~!
後悔するも、時既に遅し。
俺は蛇に睨まれた(犬耳付けた)蛙である。
ゴクリと生唾を飲んだ。
「そうだ、私はジジィだ。ジジィだから目が悪くてね」
吐息が耳のひだを舐める。
「君のちんちんが見えない」
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