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Ⅳ 新世界より 【完】

総理の怪我! 右肩に銃弾を受けている。早く診てもらわないと。 振り返った瞬間。 グラリ 視界が揺れた。 「無理するな、君の平衡感覚はまだ戻っていない」 抱き寄せられて。 チュっ 唇を落とされた……左手の薬指 「ここにもう一つ、首輪をつけるのも悪くない」 ……それは首輪と言わないのでは? つか★ 「民法改正するか」 何しろ私は、内閣総理大臣なのだからな。 「奏介……」 猿渡君でもない。 奏クンでもない。 甘い響きが高鳴る鼓動を包んだ。 「私は君の命を預かった」 大切にしよう 私のパートナーとして、君を 「君の命は私のものなのだから、当然……」 クルリと体躯を入れ替えられる。 「貞操も私のものだろう?」 「フアァアァァ」 大事な蕾に剛直があてがわれて、メリメリ広げられる。 「十分慣らしたから簡単に入るな」 腰を強く引き寄せられて、抵抗は許さない。 「分かるか?ビクビク締めつけて、私を欲しがっているぞ」 激しい律動。 固く怒張した熱が奧までうがって気持ちイイ。 意識が飛びそうだ。 「好きィ……総理のおっきいの、アゥん、カリがひっかかるぅ」 俺の中でドクンとまた大きくなった。 堪え性のない俺の雄しべが、ビュクッと蜜を漏らす。 「しっかり覚えたまえ。君を一生悦ばせる雄の形だ」 容赦なく押し寄せる快感の渦の中。 後ろ手に手を握られる。 幸せだ。 これからも、あなたと共に俺はいます 昭和七年 五月十五日 晴天 大日本帝国 第29代 内閣総理大臣 犬養毅 存命 この『日本』は、 我々の知る日本とは違う歴史を歩むようだ……… ―完―

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