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学園の屋上で

「ねぇ、課題決めたっすかー?」  屋上から見える空は、いつもと変わらない。隣にアイツがいるのも、いつもどおり。入学してからそろそろ2年が経とうとしてるけど、毎日変わらない、すっかりお馴染みの光景だ。  そっかぁ、2年経つんだよなぁ。もう時間も終わりかぁ。なんて、わざとらしく思ってみる。まだオレ達は1年生ではあるけど、そろそろ2年経つって事は、留年でもしない限り、そろそろ2年生になるって事。小さな子供でも知る常識だけど、この学園では2年生になるっていうのは、結構大きな意味がある。  意味って言うか、大きな壁?学園の言葉に合わせて言うなら、「課題」だ。  1年生の残り時間が迫っている。課題の提出期限もギリギリに迫ってる。  今年の1年生も、今までの1年生も、こんなにギリギリまで課題を決めていなかった人間なんて、きっといないだろう。何なら来年以降の1年生にも現れない。かく言うオレは「お前が言うな!」「屋上でぼんやりしてる暇なんてないだろ!」ってツッコまれても文句が言えない立場なんだけど。  だから親友のことなら何でも、それこそ「誰よりも」って豪語できるくらいのオレでも、コイツが首を横に振ったのには、びっくりした。 「珍しいこともあるんすねぇ」  思わず声に出したくらいに。だって、学園に入るずっと前からの、長くて深い付き合いを思い返してみても、コイツがここまで決断を延ばす事なんてなかったんだから。  提出がまだっていうなら、まあ分かるけど、決めてないとは思わなかった。もうとっくに決まってると思ってたのに。

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