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 2年生の課題でメインになるのは「実戦」だから、泣いても笑っても、実力が勝負。  ちょっと冷たい言い方だけど、「努力が実を結ぶ」とか「真面目に取り組んでる」とかは、言ってられない。  もちろん、そんなスタイルを選ぶ方法もあるけど。  そういう意味じゃ、課題は1年生の後半、オレ達は大分スロースターターだけど、今この瞬間にも始まってるって言えるのかも。  いかに自分を理解して、適した世界を選ぶか。  それが2年生の課題を達成する上で、1番重要だとオレは思ってる。多分、親友も。  オレ達2人の実力は、自惚れでも、贔屓目でもなく、本物だ。だからどんな世界に行っても、「どうにでもなる」「どうにでもできる」だろう。  だけど予想外・想定外が出てくるのが「実戦」だというのも、経験がないなりに知識として持ってる。  どんな優等生だって些細なミスを犯した結果、取り返しのつかない事態を引き起こして、課題に失敗する事がある。過去、そんな事例がいくつかあったのは、図書室に残っている資料から分かった。教師も再三話してたみたいだし。  優秀とは言っても、まだアマチュアである生徒だけじゃなくて、とっくに学園を卒業して第一線で活躍する勇者だって、小さな出来事で大きなミスを引き起こした事例があるらしいし。  とにかく、「実戦」「本物」というのは、それだけ危険が付き物なんだ。  それなら、課題達成のためにどうするか。  実力を磨く。慢心しない。万が一を意識する。うん、それも正解だし、必要だと思うけど。「課題が今この瞬間にも始まってる」と言えるのなら、もう1つ。  自分達に最も適していて、最も安全な世界を選ぶ事。  それが利口だし、妥当な答えだ。  そりゃあ、超難関の世界で課題を果たせば、その成果は後世にも語られる。後輩達に伝説として話されて、本物の勇者にさえ認められると思う。  結果地位や名誉だって付いてくるんだけど、オレはそんなもの、要らない。  誰かに批判されたって、「もったいない、考え直せ」って言われたって、「所詮学園内でしかイキがれない臆病者だなぁ」って笑われたって。  オレには守りたいものが、大切なものがある。  オレは自分の命が……と言うより、親友と過ごす「生」が惜しいし、欲しいんだ。

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