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 親友の事は、なんだって知ってる。  だからコイツが「優等生」だっていう、この学園に通ってる人間なら当たり前に知ってる事なんて、知らないでいる方が難しい。そもそもコイツが「優等生」やってるの、今に今始まった事じゃないしね。  単純な頭の良さが問われる筆記の問題はパーフェクト。魔法はたくさんの種類を正確に使えるし、3年生でも、教師でも難しいって言われてる、複数の魔法を同時に扱う事だって朝飯前。戦闘力も高くて武器を扱うのも得意だから、剣術武術も優秀。それから咄嗟の判断力だって、歴戦の勇者だったらしい担当教官が、舌を巻いたレベルだ。  これ、親友の贔屓目じゃないし、どんなに厳しい教師だって、コイツを褒めろって言ったら、褒め終わるまでに結構な時間が必要になると思う。  文字取りの「完璧な優等生」なんだけど。  親友レベルには流石に届かなくても、「優等生」として申し分がない人間だって、「実戦」になればどうなるかは、分からない。  そんな人間でも、あっさり、簡単に死ぬのが戦場。学園内の施設で、職員の保護下だし、ある程度以上のケガをしない様に結界が張られた訓練場とはワケが違う。  親友は確かに「優等生」だ。  さっきも言った様に、実技も筆記も、全部が全部優秀。ついでに生活態度も二重丸の、「絵に描いた様な模範生」。  ちなみにオレは、自分で言うのもなんだけど、「優秀な生徒」なんじゃないかな?でも、注意書きが必須。「生活態度はすこぶる悪し」って、どの教師からも言われるタイプ。  親友には及ばないけど、それは比べる相手が悪いだけで、実技や筆記は3年生を余裕で打ち負かすくらいの出来は見せてる。でも、真面目さとは正反対。課題を出した事はないし、夏休みの宿題なんて触った事もないくらい。反省?もちろん、微塵もしてない。  まあ、2年生の課題には、生活態度が一切関わってこないから、益々関係のない話だけど。

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