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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 6-8
「ごめん」
「なんで謝るの? 俺が保健室に通い慣れてたから?」
「……それもあるけど」
自嘲と棘の混じった返しに気まずさを抱きながらも、行人は認めた。間違いなく四谷は怒るとわかっていたけれど、それでも、どうしてもひとりに追い込んでしまったように見えたのだ。
行人の頭にある四谷のイメージが、友人に囲まれたものであったせいもあると思う。でも、それだけではなくて。
「その、四谷はきついことも言うし、腹の立つことも言うけど、でも、ぜんぶ自分で言葉にするだろ。少なくとも、俺は、四谷に陰湿ないじめみたいなのをされた覚えはなくて」
「……」
「だから、今回、はっきりとした理由を言ってくれなかったのは、言えない事情があったんじゃないかと思って。でも、その事情が俺にはぜんぜんわからなくて、だから、ごめん」
たとえば、自分がもっと、成瀬や茅野とまでは言わなくても、高藤や荻原くらい人間ができていたら。そうでなくても、岡たちのように四谷にもっと信頼してもらえている人間だったら。言われなくてもわかったかもしれないし、もっとうまくできたかもしれないし、四谷も打ち明けてくれたかもしれない。
でも、今の自分ではそんなふうには到底できない。できることがあるとすれば、自分の思いを変に隠さず伝えることだけだ。できれば、四谷に間違わず届いてほしいとは思うけれど。
「榛名のそういうとこ、本当に嫌い」
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