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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 6-20
「なんでもない。それより、早く戻ろう。荻原も心配してたみたいだから」
「本当、あいつ、お節介なんだけど」
うんざりとしたふうに言いながらも、どこか気恥ずかしそうだった。並んで一歩を踏み出して、これもお節介かな、と悩みながら、言葉を続ける。少し前に四谷自身も言っていたこと。
「でも、ありがたいよな。俺も、ここでよかったなって思う」
「うん」
存外と素直に頷いて、四谷は言った。
「寮長として関係した寮生に話は聞くし、寮生委員でも共有はするけど、望まらないなら大事にはしないって」
よかった、という安堵に、行人も頷いた。
「四谷がそれがいいなら、いいと思う」
「というか、俺はなにされたわけでもないから。そもそも、寮長も、大事にできない一番の要因は榛名が認めないことだって言ってたよ。被害者がいなかったらどうにもならないって」
「いや、それは、まぁ……」
「べつに、俺も、榛名がそうがいいなら、しつこく言う気はないけど。でも」
そこで、一度、四谷は言葉を切った。不思議に思って、歩みを止める。階段を一段下りて、行人と同じところに立ち止まった四谷が、はっきりと口を開いた。
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