349 / 1144
パーフェクト・ワールド・エンド10-9
「どうって」
「そのままの意味だけど。おまえにはどう見えてるの?」
予想外と言えば予想外の質問だった。どうも何も、皓太にとっては、昔から何も変わらない人だ。
「どうって、……幼馴染みだよ。知っての通り。俺は一人っ子だから、そう言う意味では兄貴みたいなものだし、頼りになる人だけど。まぁ、面倒な人だろうなぁとも思うけど。そう言うこと?」
とりあえず、思いついたことをつらつらと上げてみたのだが、求めている答えと違ったらしい。不満そうな顔に、面倒になってきて皓太は投げやりに続けた。なんで、こうもあの人に振り回されなきゃならないんだ。最初に話題を振ったのは俺かも知れないが。
「他の誰に聞いても似たような話しか出ないと思うけど。昔から外面はあの通り完璧だし。面白いようなネタも何もないだろ、今更。まぁ、実はあれでアルファじゃないとかだったら、さすがに驚くけど……って、え? なに」
真顔で凝視されて、オメガであることを隠して生活を送っていた相手に言う台詞ではなかったかと反省する。苛々していたからと言って、それを理由になんでも許されるわけではない。
「あー……、あんまり良い冗談じゃなかった、ごめん」
ともだちにシェアしよう!

