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そんな中、オレの耳に届いた2人組の声は、とにかく恐ろしかった。
真夏によく特集される心霊番組なんかより、少なくともオレにとっては恐ろしくて、心身共に疲れ切っている今、大ダメージを与えた。
狙ってやったなら、凄い。褒めても良いかも。
「あの人、格好良いよねー」
「1人かな? ね、声掛けちゃわない?」
なんて、オレの方を見て、そわそわと。
そんな事されたら「嬉しい」って言う人、この状況を「羨ましい」って言う人もいるんだろう。
でも、オレにとっては死刑宣告みたいなモン。もちろん、された事はないんだけど。
今はただでさえ、大人気先生サマの作品が映画化されたおかげで、「運命の恋」「運命の恋」って騒がれて、うんざりしてるのに。
精神がガリガリと削られていく音さえ、聞こえてきそうな勢いなのに。
周りは、オレの精神状態に、ちっとも気を遣ってはくれないのだ。
下駄箱にプレゼントや手紙が押し込まれているのは、いつもの事。
教科書が入らないと思えば、机の中にはプレゼントがぎっしり。プレゼントを入れるために、オレの教科書やらノートやらが机の外に追い出されている事も、そんなに珍しくない。
ただでさえ、そうなのに。
ここ最近の流行に、分かり易く影響されたんだと思う。最近じゃプレゼントの量も、手紙の量も目に見えて増えていた。
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